天文初心者の天体日記 1

「プリンが好きな3期生」と「餃子とコーンスープが好きな2期生」によるシリーズ「天文初心者の天体日記」が始まります。更新は不定期ですが、よろしくお願いいたします。

第1回は、こちら↓↓ テーマはオリオン大星雲・M42です。

 

 

天文初心者の天体日記 ―M42

高校1年生、入部したばかりのころの私は、星に関する知識が全くありませんでした。知っている星座は、オリオン座、黄道12星座、こと座くらいで、形と名前が一致するのはオリオン座だけでした。あげくのはてに、北斗七星を星座だと勘違いするレベル…。そんなあの頃を振り返りながら、観測した天体の素晴らしさや感動を綴っていけたらいいな、と思っています。

 

 

M42を初めて見たときの印象は決して良いものではありませんでした。「オリオン大星雲だよ」興奮を隠しきれていない先輩方の声を聞き、わくわくしながら望遠鏡の中を覗き込みました。どれほど美しい天体が待っているのだろう…。しかし、そんな思いは鶴見の空にかき消されました。見えない、何を見ているのかわからない、面白味なんてどこにもない。これが当時の正直な感想でした。カラフルに輝いている天体写真と同じものが見られると期待していたからです。

 

“裏切り者”オリオン大星雲に対するイメージが変わったのは、長野での観測会の時でした。今にも降ってきそうな星空の下、私は1人で望遠鏡を使っていました。普段は、誰かが望遠鏡に導入した天体を見せてもらうことが多かったので、自分の力で目的の天体までたどり着きたかったのです。しかし、知識のない私は何を見ていいのかわかりませんでした。そこで探しやすそうなM42を見ることに決めました。気温はマイナス10度を下回り、手はかじかみました。そんな中でようやく見つけた大星雲は、今までとは違った存在感がありました。夜空を羽ばたく大きな鳥の姿がそこにありました。全身が震え、飛び跳ねずにはいられない程の感動というのはきっとこのことだ、と直感しました。興奮のあまり、暖を取り忘れた私は翌日体調を崩してしまいましたが…。

 

今でも、オリオン座を見ると「あそこに鳥が飛んでいるんだな」と胸の中がキラキラした気持ちでいっぱいになります。冬の夜空を見上げたら、オリオン座に隠れた鳥を探してみてはいかがでしょうか。
M42

2014年3月11日 横浜市鶴見区にて撮影 FC-76 + KissX4(改)

総露光時間19分40秒

この記事は多くの人は「面白い」と答えてます。
この記事を読んだ感想をお願いします。(1個のみ)
  • 面白い (4)
  • 分かりやすい (0)
  • 難しい (0)
  • 分かりにくい (0)
  • 少し難しい (0)
Top